このサイトを見ている人の多くは、おそらく中学生以上だと思います。
小学生ではまだ英語の文法に疑問を持ったりしないし、英語がわからない、なんとかしよう、というところまではいかないでしょう。
小学生で英語の授業を受けて、中学生になっている人もいれば、中学生で初めて英語の授業を受けた人もいると思います。
私は、時代的に小学生の頃は英語の授業が必須ではありませんでしたので、中学生で初めて英語の授業を受けた世代です。
そのため、いまは小学生でも英語の授業があるんだな、と新鮮な驚きを感じています。
英語教育自体は、早期教育のほうが良いと思うので、賛成の立場です。
ところで、英語を学ぶ上で、最大の壁はなんだと思いますか?
それは、恥ずかしい、という気持ちです。大事なことなのでもう一度いいます。恥ずかしさ、です。
例えば、小学生で英語が喋れるとなれば、なんとなく冷やかされたり、英語の発音をカッコよくやったりすると、茶化されたりという経験がある人もいるのではないでしょうか。
小学生から英語の授業があれば、このなんとなく恥ずかしい、という部分がかなりハードルが低くなると思っています。
英語が喋れるというのは、カッコいい、という反面、カッコつけ、と取られる部分もあります。これが小学生の頃からであれば、カッコつけてるから茶化されるというような心情的なものがかなり少なくなると思います。
つまり、もう一度声を大にして言いますが、英語を学ぶ上で最大の壁は、気持ち、なのです。
英語は日本語よりも遥かに多くの人に使われる言語で、その言語が、そんなに難しいわけがないのです。
でも、ちゃんと英語をやろうとすると、周りの目が気になる、発音をちゃんとやりたいけど、カッコつけてると思われたくない、という気持ちが英語学習の障害になります。
小学校で学ぶ英語は、会話重視の英語授業です。この授業だけで英語が喋れるようにはなりませんが、英語に触れる、という点では非常に良いと思います。
中学校で、英語とはなにか?という領域に入ります。
例えば、This is a pen. という古典的な例文がありますが、この”is”とはなにか?というように、英語はどのような仕組みになっているか?ということに重点をおきます。
日本語で言えば、おはようとか、ありがとう、などのあいさつ、私はあれが欲しい、という気持ちを伝える、ということを小学生時代に授業として教わったのに、中学生になると、「おはよう」はどうして「おはよう」なのか、自分の気持を伝えるには、いろいろな言い方があって、それぞれ良し悪しがあります、という授業にかわってしまうわけです。
ここで、英語がいきなり堅苦しくなるため、もしかしたら英語が嫌いになってしまう可能性もあります。
さらに、中学生以上の英語は、授業であるがゆえに、正解があります。そのため英語が「点数付け」されてしまいます。
小学生のときの、会話中心の授業であれば、相手に伝わればとりあえずOK、という感じで英語を学びます。
実際に会話の方法に正解はありませんので、これで良いのです。日本語で話していても、標準語だろうが、関西弁だろうが、丁寧だろうがなんだろうが、実際には伝われば会話としてはOKなのです。正解とか不正解はありません。
しかし、中学以上の英語の授業になると、伝わるけど文法的に間違ってるからだめ、という採点がされてしまいます。
英語の文法を習っているのですから、その文法を正しく使えるかどうか、その採点があるのは当たり前ではあるのですが、楽しかった英語も楽しくなくなってしまうかも知れません。
そこで、もし、英語がちょっと嫌になってきた、という気持ちで、この文章を読んでいるあなたに声を大にして伝えたいことがあります。
それは、
英語は日本語ではない。他の言語である
ということです。なにを当たり前のことを言ってるんだ、と思うかも知れません。
この、英語は日本語とは違うことば、言語である、ということをしっかり認識しておくことは、英語学習において、ものすごく大事なことです。
これをわかってない人が良くいうセリフがあります。それは、
「日本語に直せばどっちでも同じじゃない?」
そう。直せば同じかもしれません。でも、違うのです。英語は日本語ではないのです。
How are you? How is it going? 日本語に直せば、どちらも「調子どう?」と訳すことも出来ます。
でも、ニュアンスは微妙に違います。これを、どっちでも同じだからどっちでもいいじゃん、と思ってしまうのと、英語は日本語と違うのだから、当然なにかしらの違いはあるんだろうな、と思うのとでは、大きく差がつきます。
日本語を勉強している人に、「ありがとう」と「ありがとうございます」の違いは?と聞かれたときに、どっちもThank youで同じ意味だよ、とは多分伝えないと思うのです。
仮に同じ意味と伝えたとしても、、難しくなるからいまはThank youでいいけど、微妙に使う場面が違ったりする、ということは伝えるはずです。
英語に直したら同じじゃん! と言われても、いや、日本語は英語と違うし、と思いませんか。これと同じことです。
これは本当に大事なことなので、もう一度言っておきます。
英語は日本語ではない。他の言語である
これを意識するだけで、かなり英語学習の壁が低くなります。
英語を勉強していると、納得のいかないこともたくさんあると思います。でも、仕方ないのです。なぜなら英語だから。
そこを無理やりに、日本語ではこうなのになんで英語はこうなってるんだ、と思わずに、他の言語なんだからそうなんだな、と思えるようになると、理解度も差が出てきます。
小学校の英語の授業では、特に意識はしないと思います。なぜなら日本語と比較したりすることが少ないからです。
おはよう、は、Good morning です。と言われて、そうなんだ、と思っていたはずです。
良く言えば、あまり深く考えず英語を受け入れていた、ということです。
もっと言ってしまうと、あまり理屈を考えないほうが英語を学ぶ上ではプラスになります。
中学生になって急に難しい、とか、ちょっと英語が嫌いになってしまった、と感じている場合、思い出してください。
英語は日本語ではないのです。だから仕方ないのです。
これは諦めている、ということではなくて、まずはそれで受け入れてください。
さらに色々と勉強をしていくと、だんだんとなぜ英語ではこうなのか、というのがわかってきます。本当です。
だから、難しく考えず、まずはそういうものなんだ、と受け入れるようにしてみましょう。